安倍前首相 本村洋氏「政治利用」問題 2

Jodorowsky2008-05-15

 
大変面白い展開になってきました。
まず、本日発売の週刊文春2008年5月22日号P176に掲載された謝罪文。
 

[編集長から]
■小誌五月十五日号、一六一頁以下の安倍前首相に関する記事で、安倍氏が「本村さんがお嬢さんの遺影を持って私の所にやってきた」と演説したという記述は誤りでした。これを取り消し、安倍氏、本村洋氏、ならびに関係者各位にお詫びします。

内容としては、安倍晋三事務所の反論にあった「お嬢さんの遺影〜」の部分は誤まりであったことを認め、謝罪しております。
 
一方安倍さんの公式サイトには、文春との経緯がPDF文書として掲載されており、本村さん安倍さんに対して「応援しています。頑張って下さい。」と語ったことが明らかにされております。個人的には安倍事務所側がノリノリなのに対して、文春側の態度は[編集長]からの内容も含め、不誠実に写ります。以下に今のところの全文。 ※読みやすいように少し改変
 
■安倍事務所→文春編集部 その1

株式会社文藝春秋週刊文春」編集部
編集長 島田   真 様
記 者 赤石 晋一郎 様
平成20年5月9日
衆議院議員安倍晋三事務所
冠省 貴殿らが「週刊文春」5月15日号161頁以下に「安倍前首相『政治利用』
に光市母子殺害木村さんが絶句」と題する記事(以下「本件記事」という。)を
掲載したことに対し、次のとおり通知します。
 
記 
1 本件記事によれば、安倍晋三前首相が、衆議院山口2区補欠選挙投票日前日の4月26日岩国市内での応援演説で犯罪被害者支援問題に触れて

ア 「お嬢さんを無惨に殺された本村さん。そのお嬢さんの遺影を持って私の所にやってきて 『どうか安倍さん、この法律を通して下さい』と涙ながらに訴えたのです」と語ったとする記事を掲載し、
イ 貴誌の取材記者が上記アを本村洋氏に伝えると「木村氏は思わず絶句・・・落胆し困惑した様子でこう続けた」として、本村氏は「私がいないところでそういう発言をされたことはどうかと思います。それに陳情したのは私ではない。遺影とかは出していません。小泉総理にお願いに行ったことはあるが安倍さんには光市の演説のとき初めてお会いしました。」との取材回答を記事で紹介した上で、
ウ 「KYぶりもここに極まれりの暴走演説」と評価し、安倍前首相が本村さんを「政治利用」したと断定する記事を掲載しました。

 
2 しかるに、4月26日の岩国市における街頭演説の際、安倍は「私のもとにお嬢さんを殺されたお母さんが遺影を持って『総理、安倍さん、是非ともこの法律を通して下さい』と涙ながらに訴えたんです。」などと「お嬢さんを殺されたお母さん」と明確に述べたのであって、本村氏のことを述べたものではありません。聴衆や取材に来ているマスコミの誰一人として「本村氏」のことであると誤解した者はいませんし、また、上記発言は客観的にも確認されています。したがって、貴誌の上記アの記事部分は全くの虚偽であります。
 犯罪被害者支援に関して、安倍は総理在任中の平成19年6月12日、「全国犯罪被害者の会」の表敬訪問を首相官邸で受けており、その際、訪問者の一人で娘を殺害された母親が遺影を抱きながら涙ながらに安倍に法律の成立を訴えたことは安倍及び関係者がよく覚えていることであり、今回すでに確認済みであります。なお、本村氏が小泉元総理に面会されたのは平成15年7月8日のことであります。
 
3 以上、本件記事は虚偽を前提にした事実無根記事であり、このような虚偽を前提に安倍が本村氏を「政治利用」したなどと断定した本件記事は安倍の名誉を著しく毀損するものであります。また、虚偽の事実を本村氏に伝え、それをもとに本村氏からのコメントを掲載(コメント内容が事実かどうかもわからない)するなど、本件記事こそが本村氏を貴誌の販売部数拡張のために「利用」しているとしか言わざるを得ません。
 
4 よって、直近に発売される「週刊文春」誌上で、全くの虚偽に基づく事実無根記事である本件記事を訂正するとともに、名誉を毀損された安倍及び誤ったコメントを掲載された本村氏宛に謝罪文を貴殿らの名義で本件記事と同等の記事スペースで掲載することを求めます。
 これに対する回答を5月12日午前10時までに文書でされるよう通知します。
 
期限までに誠意ある回答がなければしかるべき措置を講じることになります
ので念のため申し添えます。
以上

 
■文春編集部→安倍事務所 その1

5月12日
安倍晋三事務所
西山様
                      「週刊文春」編集長 島田真

 拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、平成20年5月9日付け「通知書」にお答えいたします。
 ご指摘のあった小誌5月15日号161頁以下の記事は、山口2区補欠選挙投票日前日の岩国市内での安倍前首相の選挙演説に対して疑問を投げかけたものです。光市母子殺害事件の遺族である本村洋氏が、自民党公認山本繁太郎候補を応援していると公にした事実がないにもかかわらず、「本村さんは私に『頑張ってください。山本さんを応援しています』とおっしゃった。本村さんは山本さんに賭けたのです」と語ったことを、問題視しました。
 本村氏本人にあらためて確認取材を行ったところ、山本候補支持を公にした事実はないことを強調し、遺憾の意を表明されたので、これは安倍前首相による本村氏の「政治利用」ではないかと疑義を提示しました。
 ただし、「通知書」にご指摘のアの部分、同じ岩国市内での演説で安倍前首相が犯罪被害者支援問題に触れ、「お嬢さんを無残に殺された本村さん。そのお嬢さんの遺影を持って私の所にやってきて『どうか安倍さん、この法律を通してください』と語った」とする記述は、小誌の事実誤認でした。当該部分については、5月22日号「編集長から」欄で誤りを認め、関係各位に謝意を表します。
 以下、ご回答いたします。

 
■安倍事務所→編集部 その2

株式会社文藝春秋週刊文春」編集部
編集長 S 様
記 者 A 様
平成20年5月12日
衆議院議員安倍晋三事務所
冠省 貴殿らの「週刊文春」5月15日号161頁以下に「安倍前首相『政治利用』に光市母子殺害木村さんが絶句」と題する記事(以下「本件記事」という。)に関する本日付回答書を受領しました。本回答に対し次のとおり通知します。
 

1 本件記事発売前、岩国市内における安倍の発言について、安倍から当該発言をした事実はないことを貴誌編集部に申し入れたにもかかわらず、貴誌取材担当者であるA氏は、取材は確実な根拠に基づく間違いないものであることを強弁されておりました。しかるに、今回の本回答によれば「小誌の事実誤認でした」との回答で大変驚いております。A氏が強弁された「確実な根拠」を示して頂くよう求めます。万が一、A氏がそのような根拠もなしに強弁されていたのだとすれば、そのような「騙し」の取材が貴誌の編集方針であると誤解されかねませんので明確な釈明をされるよう忠告します。
 「編集長から」との箇所で誤りを認め、関係各位に謝意を表するとのことですが、一般読者のほとんどが見ないような箇所でこっそり謝罪をするような態度が貴誌の編集方針なのでしょうか。謝罪及び訂正は被害者の社会的信用の低下を回復するものでなければならず、毀損した程度と同様の方法及び内容でされるのが当然です。当方において適当な謝罪等であるかを判断するために、具体的にどのような謝罪及び訂正をされるのかを事前に案を提示されるよう求めます。
 
2 また、本回答において、貴殿らは「本村洋氏が、自民党公認山本繁太郎候補を応援していると公にした事実がないにもかかわらず・・・と語ったことを問題視しました。」と回答されています。しかるに、本回答によれば、「安倍が本村氏の言ってもいないことを演説で話をした」ということを「政治利用」したと評しているのではなく、どうも「本村氏は応援している旨を安倍氏には伝えたが、それを安倍が公にすること」が「政治利用」であると評されているように読めるのですが、いずれの趣旨であるのかをご回答下さい。なお、光市における街頭演説後、安倍が会場の多くの聴衆とマスコミの中で本村氏と挨拶をし、安倍が本村氏と会話をしたことはその場所にいた多くの関係者が知るところです。この内容についても貴殿らは当然本村氏から取材で確認していると思いますが、確認されているのかについてもご回答下さい。
 
3 以上の回答を明日午前9時まで文書でされるよう求めます。なお、当方の謝罪及び訂正に対する意見を明日正午までに通知しますので、5月22日号の掲載を控えられるよう求めます。
(以上)

 
■文春編集部→安倍事務所 その2

5月13日
安倍晋三事務所
西山様
                        「週刊文春」編集長 島田真
 
 拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 平成20年5月12日付け「通知書」にお答えします。
 
 1、2については、異なった認識を前提としたご質問ですので、回答を差し控えます。
 3については、小誌記事に事実誤認があることが判明した場合、これを早期に訂正し、謝意を表することは、読者に対する責任であります。したがいしまして、5月22日号「編集長から」欄で誤まりを認め、関係各位に謝意を表することといたします。なお本日正午までにお送りされるというご意見は、拝見します。
 
 以上、ご回答いたします。

 
■安倍事務所→文春編集部 その3

株式会社文藝春秋週刊文春」編集部
編集長 S 様
記 者 A 様
平成20年5月13日
衆議院議員安倍晋三事務所
冠省 貴殿らの「週刊文春」5月15日号161頁以下に「安倍前首相『政治利用』に光市母子殺害木村さんが絶句」と題する記事(以下「本件記事」という。)に関する本日付回答書(以下「13日付回答」)を受領しました。本回答に対し次のとおり通知します。
 

1 当事務所からの12日付通知書における質問に対し、貴殿らは、「1、2については異なった認識での質問ですので、回答を差し控えます」との回答でした。
 
2 しかるに、12日付通知書の第1項における質問は、本件記事発売前にA氏が「確実な根拠」と強弁されていたにも拘わらず、貴殿らの12日付回答によれば事実誤認であったと正反対の回答をされていることから、貴誌の編集方針について明確な釈明を求めているのであり、なんら「異なった認識を前提」としているものでないことは明らかです。にもかかわらず、あくまでも「異なった認識を前提」にしているので回答をしないということであれば、文藝春秋社全体で事実と異なる回答を強弁したA氏を擁護して回答をはぐらかしているとしか一般読者には写らないのではないでしょうか。今一度貴殿らのマスコミ人として矜持にかけて下記質問に対する回答をするよう強く求めます。なお、いずれの質問も貴殿らが証言拒否の理由としてあげる「取材源の秘匿」や「取材の経緯」には関係がないことは明らかなので明確な回答をされるよう求めます。この点をうやむやにしながら記事の訂正と謝罪を済ませようとする行為は被害者に対する不信感を益々募らせるだけであり、到底謝罪や訂正とは言えませんので被害者を無視した行為は厳に慎まれるよう忠告します。
 
【質問事項】
貴殿らの12 日付回答は「本村洋氏が、自民党公認山本繁太郎候補を応援していると公にした事実がないにもかかわらず・・・と語ったことを問題視しました。」と回答している。この回答の趣旨は「安倍が本村氏の言ってもいないことを演説で話をした」ということを「政治利用」したと評しているのではなく、どうも「本村氏は応援している旨を安倍氏には伝えたが、それを安倍が公にすること」が「政治利用」であると評されているように読める。安倍が本村氏から「応援しています。頑張って下さい。」ということ自体をいわれたことがないという趣旨なのか否かを明確にされたい。すなわち、光市における街頭演説後、安倍が会場の多くの聴衆とマスコミの中で本村氏と挨拶をし、安倍が本村氏と会話をしたことはその場所にいた多くの関係者が知るところである。そして、当方が確認したところによれば、取材担当者のA 氏も本村氏の上記会場における発言(「応援しています。頑張って下さい。」)を把握しているはずである。安倍と本村氏が演説会場で挨拶をした事実及び上記会話内容について事実を取材で把握していたのか否かを回答されたい。なお、併せて、上記発言が山本氏を応援していると受け止められても仕方がないことをA 氏は取材で把握されているとのことであるが事実か否かを回答されたい。
 
3 また、第2項における質問についても「異なった認識を前提」であるとのことですが、人の名誉を毀損した人に対して訂正と共に謝罪をするのは当然のこと思いますが、貴殿らの認識は訂正と謝意を表することは「読者に対する責任」であると言われています。人を傷つけた者は被害者に謝罪をするというのが世の常識ですが、貴殿らの考え方は「人を殺した犯人が被害者には謝罪しないが世間を騒がしたことをお詫びする」というのと径庭がないように思えます。この点、貴殿らは「関係各位」にお詫びすると回答していますが、何故「安倍晋三」に対し謝罪をすると素直に言えないのでしょうか。人を虚偽の記事で傷つけたのであれば素直に真正面から謝罪することは当たり前のことです。そこで、上記関係各位に安倍晋三を含むのか否かについて回答するよう求めます。
 
4 以上の点について、本日午後5時までに書面で回答をされるよう再度通知します。
(以上)

 
■文春編集部→安倍事務所 その3

5月13日
安倍晋三事務所
西山様
                      「週刊文春」編集長 島田真
 
 拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 平成20年5月13日付け「通知書」にお答えします。
 
 小誌の姿勢は5月22日号「編集長から」欄でお伝えします。
 
 以上、ご回答いたします。

■安倍事務所→文春編集部 その4

株式会社文藝春秋週刊文春」編集部
編集長 S 様
記 者 A 様
平成20年5月13日
衆議院議員安倍晋三事務所
冠省 「週刊文春」5月15日号161頁以下に「安倍前首相『政治利用』に光市母子殺害木村さんが絶句」と題する記事(以下「本件記事」という。)について、本日当事務所からファクシミリ送信した通知書に対する貴殿らの回答書(以下「13日付回答(2)」)を受領しました。
 

13日付回答(2)の回答内容は、要するに当方の質問にはもはや回答できないとのことであります。当方の質問は、なんら取材源の秘匿など取材の自由に関わる問題ではなく、かえって自らの正当な取材について釈明をしてもらうよう促しているのに過ぎず、本当に正確な取材をしているのであれば容易に回答できる質問内容です。それにも拘わらず、貴殿らが回答を躊躇されるということは、社会通念に照らしてみれば、一般読者は

名誉毀損記事を書かれた被害者が抗議しなければ、たとえ嘘記事と分っていてもシラを切り通すのが文芸春秋社の編集方針である。
週刊文春編集部は本村氏が安倍に応援すると聴衆の面前で述べていたことを事前取材で知っていたにも拘わらず、あたかも安倍は本村氏が言っていないことを勝手に創作して演説し、「政治利用」をしたとの嘘記事を書いた

と認識をせざるを得ないでしょう。
そこで、これで最後の質問としますが、仮に当方の指摘した疑念が事実と違うのであれば下記の点について釈明されることを要望します。違わないのであれば回答する必要はありません。マスコミの矜持に懸けた回答を求めます。
 
【質問事項】
(1) A記者が確実な根拠に基づいて取材をしていると強弁したのにも拘わらず、そのような取材根拠がなかった事実が明らかになったことから、何故A記者は嘘の回答をしたのか。
(2) 本件記事は「安倍が本村氏の言ってもいないことを演説で話をした」ということを「政治利用」したと評しているのか、それとも「本村氏は応援している旨を安倍氏には伝えたが、それを安倍が公にすること」が「政治利用」であると評しているのか。いずれをもって「政治利用」と評価した根拠としているのか。
(3) 光市における街頭演説後、安倍が会場の多くの聴衆とマスコミの中で本村氏と挨拶をし、安倍が本村氏と会話をしたこと、及び本村氏が安倍に対し「応援しています。頑張って下さい。」と述べた事実を把握しているのか否か。
(4) 上記発言については、山本氏を応援していると受け止められても仕方がないことをA氏は取材で把握されていたのか否か。
 
4 以上の点について、本日午後9時までに書面で回答をされるよう通知します。なお、質問に対する回答がない場合には、当事務所のホームページ等で貴殿らとのやりとりについて公開することと致しますのでご了承下さい。
(以上)

 
■文春編集部→安倍事務所 その4

5月13日
安倍晋三事務所
西山様
                       「週刊文春」編集長 島田真
 
 拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 平成20年5月13日付け「通知書」にお答えします。
 
 ご質問に対する見解は、これまで3回の「回答」に記した通りです。なお、先程も申し上げましたが、 小誌の姿勢は5月22日号「編集長から」欄でお伝えします。
 
 以上、ご回答いたします。

 
■安倍事務所→文春編集部 その5

千代田区紀尾井町3−23
株式会社文藝春秋
取締役 S 様
同社「週刊文春」編集部
編集長 S 様
記 者 A 様
平成20 年5月28 日
衆議院議員安倍晋三事務所
冠省 「週刊文春」5月15 日号161頁以下に「安倍前首相『政治利用』に光市
母子殺害本村さんが絶句」と題する記事(以下「本件記事」という。)について、
貴殿ら対し下記のとおり通知します。
 

1 本件記事の趣旨は、要するに、岩国市内における街頭演説において、安倍が
ア 本村洋氏が山口2区補選の自民党公認候補を応援しているかのような「大ウソ」の虚偽の演説を行った
イ 「お嬢さんを無惨に殺された本村さん。そのお嬢さんの遺影をもって私の所にやってきて『どうか安倍さん、この法律を通して下さい』と涙ながらに訴えたのです!」と虚偽の演説を行った
というものであります。
 
2(イについて)
(1) しかるに、実際の安倍の演説は「私のもとにお嬢さんを殺されたお母さん が遺影を持って『総理、安倍さん、是非ともこの法律を通して下さい』と涙ながらに訴えたんです。」と述べていたのであり、全く事実無根記事であることが判明しました。
(2) そこで、本件記事発売前、安倍から当該発言をした事実はないことを申し入れたところ、A記者は、取材は確実な根拠に基づく間違いないものであることを強弁し、記事は真実であると述べていました。しかし、その後、貴殿らから「小誌の事実誤認でした」との回答があり、A記者が強弁した「確実な根拠」を示すよう貴殿らに強く求めましたが、一切釈明を受けることができませんでした。
(3) また、A記者が本村氏に安倍が岩国市の演説で上記イの演説を行ったと虚偽の事実を伝えたところ、本村氏は「それは違うと思いますよ。光市の演説ではお嬢さんを無惨に殺されたお母さんと言いましたよ。もし安倍さんがそう言われたのなら事実誤認でしょう。」と答えたと聞いています。しかし、さらにA石記者が「意図的に言われたのなら問題ですよ」
と虚偽の前提の質問を続けるので、本村氏は「そんなことはないでしょう。違うと思いますよ」と反論したそうです。このように安倍が上記イの演説内容を行ったということを本村氏が頑として信用しないことから、A記者は本村氏に対し「いや現場の取材記者がちゃんと聞いています。画像録音で確認している」などと更なる嘘を述べたことも判明しました。
A記者が根拠もなしに「確実な根拠」があると嘘を言ったことはマスコミとしてあるまじき行為であり、その責任については徹底して客観的な立場から検証して貰う必要があると考えています。
(4) 貴殿らから事実誤認であることを認めた上で、「編集長から」と題するコーナーで関係者に謝罪するとの回答がありました。これに対しては「一般読者のほとんどが見ないような箇所でこっそり謝罪をするような態度が貴誌の編集方針なのでしょうか。謝罪及び訂正は被害者の社会的信用の低下を回復するものでなければならず、毀損した程度と同様の方法及び内容でされるのが当然です。」と述べ、貴殿らが姑息な行為で逃げることを諭しましたが結局聞き入れられることなく、5月22 日号の「編集長から」の部分に他の記事に埋没するような形で10 行の文章が掲載されただけでした。謝罪は被害者の名誉の回復を図る目的で行われて初めて目的を達するのであり、今回の貴殿らの行為は山奥で「ごめんなさい」と呟いたようなものであり、裁判にされたときの「謝った」というアリバイ作りでしかなく、かえって被害感情を逆撫でするものでし
かありません。
 
3(アについて)
(1) 本件記事は「安倍が本村氏の言ってもいないことを演説で話をした」ということを「政治利用」したと評していますが、光市における街頭演説後、安倍が会場の多くの聴衆とマスコミの中で本村氏と挨拶をし、安倍が本村氏と会話をしたこと、及び本村氏が安倍に対し「応援しています。頑張って下さい。」と述べた事実は現場にいた人であれば知っている事
実です。
(2) そして、この事実は、本村氏がA記者から取材を受けた際に同記者に伝え、そして当該発言については、山本氏を応援していると受け止められても仕方がないこともA記者に伝えているとのことであります。
(3) このような取材経過があるにも拘わらず、A記者がわざわざ「安倍が本村氏の言ってもいないことを演説で話をした」と読者が受け止める事実無根の記事を掲載したわけです。
(4) そして、このアの部分については一切誰に対しても謝罪はなされていません。
 
4(結語)
(1) 以上、貴殿らが5月22 日号の「編集長から」と題する箇所で披瀝した「小誌の姿勢」は姑息な逃避行でしかなく、「謝罪」などとはかけ離れたものであり、かえって被害者らの感情を逆撫でするものでしかありません。しかも、アの虚偽部分については全く触れられていません。そこで、上記ア及びイの各点について今後いかなる謝罪方法を考えられるの
か、貴殿らの考えをお聞かせ下さい。
(2) 次に、本件記事を掲載するのに際し、A記者が本件記事の趣旨とは反対の事実、消極事実となる事実を取材の過程で知っていたにも拘わらず、あえて事実無根の記事を掲載するのに至った事実が判明しました。これに対する貴殿らの見解と今後取るべき措置等について説明を求めます。
(3) 貴殿らに対する質問はこれで最後になると思いますが、貴殿らからの回答を受けて今後の対応について検討致しますので、誠意ある回答をお待ちしております。なお、回答は明日正午までに書面(会館事務所宛のFAX可)でお願い致します。
以上