くそくらえ節

Jodorowsky2007-03-24



文庫版の『放送禁止歌』を読みました。

これは森達也氏による同名のTVドキュメンタリーの製作過程と、その後の調査をまとめたもの。放送禁止歌という題材を通して、マスメディアにおける自己規制の実態を明らかにしていく秀作。
ドキュメンタリーは少し前にYoutubeにアップされていたんですが、今チェックしたら削除されてました。


本書の中に放送禁止歌として、岡林信康の「くそくらえ節」の歌詞が載っておりました。私の産まれる前の曲だし聴いたことも無い(興味も殆ど無い)のですが、歌詞の一部にタイムリーな箇所がありましたので全部コピペ。

『くそくらえ節』(1968年)
作詞・作曲・歌 岡林信康


ある日学校の先生が 生徒の前で説教した
テストで百点取らへんと 立派な人にはなれないよ
くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ
この世で一番偉いのは 電子計算機


ある日まじめな労働者 息子を呼んでこう言った
仕事の事だけ考えて 毎日セッセと働いてチョーダイ
くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ
文句も言わずにセッセと働く 機械の部分品


ある日会社の社長はん 社員を集めて訓示した
君達わたスを離れては マンズ生きてはゆけない身の上サ
くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ
金で買われた奴隷だけれど 心は俺のもの


ある日政治家シェンシェイが デッカイ面してこういった
君達まじめに勉強ステ ワタスのようになるんだよ
くそくらえったら死んじまえ くそくらえったら死んじまえ
税金チョロマカシテ二号を持つなど おいらもやりたいナ
 (またそんなことを言わはる)
税金チョロマカシテ二号を持つなど おいらはまっぴらさ


ある日聖なる宗教家 信者の前でお説教
この世でがまんをしていれば きっと天国いけまっせ
ウソコクなこの野郎 こきゃあがったなこの野郎
見て来たようなウソをこくなよ 聖なる神の使者


ある日政府のおエラ方 新聞記者に発表した
正義と自由を守るため 戦争せにゃあきまへんのやワ
ウソコクなこの野郎 こきゃあがったなこの野郎
おまはん等が儲けるために ワテラを殺すのけ


ある日ソ連のおエラ方 チェコの問題でこう言った
仲間の危険を救うため 侵入したのよ ゆるしてね
ウソコクなこの野郎 こきゃあがったなこの野郎
チェコは何も言わないけれど 気持ちはよく分かる


ある日アメリカのおエラ方 チェコの問題でこう言った
それみたことか 恐ろしい 共産主義はあきまへんで
ウソコクなこの野郎 こきゃあがったなこの野郎
そういう事は ベトナム侵略 やめてから ぬかしやがれ


ある日 おエラい小説家 選挙に立ってこう言った
青年の国 作るため わたしゃ文学捨てたのよ
甘えるなこの野郎 甘ったれるなこの野郎
弟つれて選挙やるなど ジジィのやることだ


ある日しわくちゃじいちゃんが 若者呼んでこう言った
天皇陛下は神様じゃ お前等 態度がなっとらん
ウソコクなこの野郎 こきゃあがったなこの野郎
天皇様もトイレにはいれば 紙にたようてる

政界進出時点でネタにされてた慎太郎...。


ちなみに Wikpediaの封印作品 項目によると
「くそくらえ節(岡林信康) - 1968年に発表される予定だったが、その年参議院議員選挙に出馬した作家石原慎太郎と弟の俳優石原裕次郎を誹謗するくだりがあるため、落選を狙ったものと曲解されてお蔵入り。3年後改めて発表してみたものの、天皇が便所でケツを拭いていたというくだりがあるため「皇室侮辱曲」とのレッテルを貼られて放禁処分を受ける。」 とのこと。


森達也 公式 Wkipedia Amazon
岡林信康 Wikipedia Amazon
石原慎太郎 公式 Wikipedia Amazon