水間政憲氏の不思議分析


正論4月号に、照明の専門家で田中正明氏の弟子でもあった水間政憲氏による『仕掛人「歩平」という男の正体』という記事がありました。その中で映画『南京の真実』(仮題)に関連して独特な分析をされていたので抜粋。

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●突然「30万人」の数字を隠した中共
 18年12月26日、中国外務省の秦剛・副報道局長は記者会見で「南京大虐殺について『証拠は確かで動かすことはできない。国際社会はすでに結論を出している』と述べ、中共側の公式見解を変更する考えはないことを強調した」(朝日新聞・同27日)。
 ところが、その後すぐ、中共が「公式見解」を臆面もなく変更していることが明らかになった。
 「日中歴史共同研究会」の初会合で、中共側が「南京大虐殺」の枕詞「犠牲者30万人」の数を使用しないことを不思議に思っていたら。「研究会」を境に中共の有力サイトから"30万人"との数字がすべて数字がすべて消えたのである。中共のネットは、ネット警察がチェックしているとは聞いていたが、これほど見事に一夜にして「公式見解」が変化する実態は民主主義社会の脅威になるであろう。
 なぜ中共は、「30万人」を消したのか。本年1月24日、世界で多数製作される「南京大虐殺」を題材にした映画に対抗すべく、「日本文化チャンネル桜」の水島総代表が、一次資料に基づいた「南京の真実」(仮題)の製作発表記者会見を都内のホテルで開催した。それに対して、中共国内の政府系、民間とわず有力ネットは、蜂の巣をつついたような大騒ぎになっていたのだ。
 翌25日には、中共李肇星外相と中共外務省の姜瑜報道官が「南京大虐殺には確実な証拠があり、国際社会では定説となっている」と、秦剛・副報道局長とまったく同じ文言で記者発表をしたのである。日本の民間会社が「南京攻略戦」の映画を製作すると発表しただけで、「大国」中共外務大臣が声明を発表する姿は、民主主義国家から見ると異常な行動ではないか。まして、李外相が「国際社会では定説となっている」とまで断言するのであれば、「たかが日本の民間人が製作する映画一本など」と無視することができるだろうに。
 「南京大虐殺」を対日カードだけに利用していれば中共も国際社会で"大恥"をかくこともなかったであろうが、「南京の真実」が世界で上映されることになれば中共にとって"劇薬"として作用することになるに違いない。
 本年1月30日、東京財団の招きで来日した張連紅・南京師範大学教授(南京大虐殺研究センター主任)と程兆奇・上海社会科学院歴史研究所研究員は「南京大虐殺」に関して、「30万から40万人の虐殺数に疑問を呈し」、80年代の中共の研究は感情的で政治的な色彩を帯びていたことを認めた(産経新聞2月1日)。ただし、こうした一連の動き発言で中共が「南京大虐殺」の看板を下ろそうとしているわけでは決してない。あやふやな犠牲者数の主張は引っ込めながら、何としても「南京大虐殺」だけは既定事実にすると戦略転換をしたとみるべきなのである。

<以下略>

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MMRチックな展開に、
思わず「な・・・・なんだってー!!」と叫びたくなる。


中共が公式見解や有力サイトの数字を変更した事実は、私の能力不足で確認できなかったのですが、その変更の理由を『南京の真実』(仮題)に持ってくる論理展開はさすがに世紀末を予感させます(笑)。
しかし笑い事ではないかもしれません、こういった不思議な陰謀論が「一次資料」の大好きな政治家を経由して、一国の最高権力者にそれなりの説得力をもって伝わる可能性もあるわけですから...。


水間さんが妄想全開になっちゃった定例記者会見
2007年1月25日の中国外交部姜瑜・報道官の定例記者会見



同号の正論は、映画『Nanking』の製作者へのインタビューを、産経新聞の松尾理也記者が行っております。是非本屋さんで立読みしよう!