映画「南京の真実」の使命

Jodorowsky2008-05-16

  
日本会議の機関紙『日本の息吹』*1に掲載された、水島監督のインタビューを引用といいつつ全コピーします。特に後半にある第二部の構想は必見です!
 

映画「南京の真実」の使命
 
映画『南京の真実』監督 水島 総 (株)日本文化チャンネル桜社長に聞く
 

みずしま さとる
昭和24年静岡県生まれ。47年早稲田大学第一文学部卒。日本映画監督協会会員、日本脚本家連盟会員。主な作品に映画「南の島に雪が降る」「奇跡の山」「特攻国破れても国は滅びず」など。

 
■七人の方々に託したもの
− 映画『南京の真実』第一部が完成し、各地で上映会が開催されています。ずばり第一部のテーマは?
 
水島 心理葛藤を描く西洋の近代劇に対して、能の夢幻能の演劇形式を使って、七人の方々の死刑直前の二十四時間を忠実に描きました。そこに戦後の日本の原点があると思ったからです。
 第一部には、「滅び行く日本と共に」というモチーフがあります。七人の殉難者の方々は、明治天皇崩御された時に乃木大将が殉死されたのと同じような気持ちを抱いていたのではないか。日本が日本で無くなっていく時に、自分たちは運命を共にしていくと。映画の最後に処刑の後に「日本が消えた」という台詞がありますが、戦後の日本国民は七名に、それまでの日本の全てを背負ってもらって、知らん顔をしてきたのではないでしょうか。副題に「死刑囚」としたのは、犯罪者扱いされて処刑された七人の殉難者とは実は私達自身であると思うからです。反日プロパガンダに象徴されるように、日本人全体が未だそういう扱いを受けているということをまず知らなければならないと思います。
 私は先帝陛下が「本来の日本に戻るまで三百年かかる」と仰ったお言葉が思われるのです。戦後六十数年、そういう重いものを私たちは引き受けていかなければならない。
 映画の中の能で繰り返し謡っている和泉式部の歌があります。
 くらきよりくらき道にぞ入りぬべき遥かに照らせ山の端の月
 私たちの世代は多分、夜明けは見られないと思います。だからこそ長い夜の間に、次の世代の為に種まきをし、植林をしていかないといけない。映画を作るのも、そういう意味だと思っています。
 第一部は、ある程度知識が無いと理解するのは難しい映画であると思っています。やはり、七名の殉難者の思いを分かって貰うには、このレベルまで来て貰わなければ駄目だという思いがありました。ですから史実については相当に細かく再現しました。これまでに作られた東京裁判に関するどの映画にも負けないと思います。なかでも処刑場のセットは実物と一寸たりとも違わないように作ってもらいました。首に縄を掛けられて処刑台から落とされる場面も絵でごまかさず、そのまま落ちるところを全部見せることにこだわりました。七名の皆さんが、残酷に処刑されたという事実を残したかった。これまで、あの処刑場を全部再現したことはないでしょう。セットだけでなく台詞も含めて、最後の二十四時間の中身をかなり忠実に再現できたと実感しています。ドラマ的に言えば、飛ばした方が良いかなというシーンも確かにありました。しかし敢えてそれも全部入れました。一人ひとりの表情を全て残しておきたかったからです。
 
■妨害を乗り越えて 
− 撮影には様々な障害があったそうですね
 
水島 TBSの緑山スタジオオープンスペースを使用しましたが、収容所のセットを立て始めると二日目にTBSから「撤去料を払うから止めてくれないか」と言ってきたり、撮影に入ると、「役者の控え室に『南京の真実』と書かないでくれ。『水島組の○○様』と書いて欲しい」と言ってきたりしました。「中国の方やNHKの方、報道の方もいらっしゃるので」というわけです。映画の最後に流すタイトル掲載も「遠慮させてください」と言ってきました。
 また、役者やスタッフを集めるのに大変苦労しました。
A級戦犯はやりたくない」「天皇陛下万歳と言えない」と言って断る人がたくさんいました。日本人としては情けない話です。
 この第一部は、最初、第二部として製作・上映を考えていたもので、当初考えていた第一部はアメリカで撮影する予定でした。ところがアメリカで、中国人や韓国人から妨害が入ったのです。シナリオは完成していましたが、「"右翼監督"の水島の映画に参加することは、ホロコーストに参加することだ」という、メール、電話、FAXをばらまかれて、つき合う予定だったプロダクションも突然断ってきました。一時は本当に映画ができるのかなとも思いました。
 何で一般ロードショーにならないのかという方もおられますが、誰も引き受けてくれません。我々が置かれている立場は、圧倒的に少数派で自由がないことをご理解いただきたい。
 
■草莽の熱き思いをいただきて
− 映画の自主上映運動も広がっています。その反響は
 
水島 今回の映画で「南京大虐殺」の真偽を問うようなプロパガンダ的内容を期待されていた方々にとっては拍子抜けのような感じがあったかもしれません。その内容は第二部でやる予定です。
 第一部では、滅ぼされていった日本人のたたずまいというものを、生死を見つめた男達の死を描くことによって積極的な反論映画を作りたいと思ったわけです。プロパガンダでは、政治より芸術が下に置かれるということになるわけですので、それは私は良いとは思いません。映画作品としてちゃんと見られるようなものを作りたいと思って作りました。そのことは長いスパンで見た時に分かって頂けると思います。
 靖國神社の南部宮司様はじめ皆様にご覧頂いて、遊就館で上映を決めて頂いたことは何より嬉しいことでした。やはり私自身が、英霊の汚名を濯ぎたいという思いでやってきましたから。
 御支援は二億五千万円以上戴きました。大会社の協賛は一つもありません。「南京」や「東京裁判」に対する汚名を濯ぎたいという草莽の方々ばかりです。その約六千名の思いを本当に力強く感じました。年金生活者の方で毎月二千円ずつ送ってくださいる方もおられます。一銭も無駄遣いをすまいと思っています。本当に有難いことで、今でも第二、三部の為に支援して下さっています。
 「南京の真実」を通じて、映画の上映運動の価値も改めて私は感じました。先日は、東京文京区のシビックホールや横浜市の青葉公会堂で上映しましたが、あの左翼勢力が強い青葉区の公会堂に観客が四百名近く集まりました。何より驚いたのがボランティアが四十名も来られたことです。我々に上映費を払ったうえで無償のボランティアをしてくださっているわけです。私はこの上映運動でお金が回収できるとは思っていません。それでもたくさんの方々に見てもらいたいと思います。映画上映に合わせて私も各地を講演で廻っておりますが、その時に「恒常的な活動を皆でやりましょう。これは保守の文化運動になりますよ」と話をしています。草莽の人達の芽が出始めています。その意味でも映画を作って良かったと思います。
 渡部昇一先生は、「零と一は違う」と言われました。世界では三百億円以上という、我々の何百倍の予算を費やして、中国を中心に十ヵ国で「南京大虐殺」の映画を作っています。これでもし我々が作らなかったら、日本人が「南京大虐殺」を認めたことになる。そういう危機感を抱いて映画を作ったわけですが、多くの草莽の方々がその思いを分かって下さった。日本国内で大勢の人が立ち上がり、映画が作られた事実は必ず後世に残り、子供たちの為になると思います。私は大東亜戦争を見直す映画つくりをこれからもやりたいと思っています。沖縄「集団自決」の映画もいずれ作りたいと思っています。沖縄戦は、軍民一体となって戦った聖地であるのに、左翼によってあのような状態にされてしまっています。映画は大変効果があります。映画やテレビはこれまで保守が得意ではなかった分野ですが、この形式で一つ一つ闘いを展開していくことができたらと思います。 
 
− 第二部、第三部はどのような映画ですか
 
水島 第二部はドキュメンタリーです。ファーストシーンは決まっています。「南京虐殺」を見たとか、「やった」と証言しているおじいさんに直撃インタビューするところから始まります。それから実証的な検証作業をされて来た東中野修道・阿羅健一両氏に映像の嘘や、虐殺派の主張の嘘など暴いてもらいたいと思います。皆さんが期待しているような、これぞ「南京虐殺」反対映画だというようなドキュメンタリー映画を作るつもりです。
 第三部は、アイリス・チャンの自殺を疑うところから始まる映画です。これもシナリオは完成しております。ファーストシーンは、女が夜明けの暗い中を車で走っている。そしてある場所で車を止めて銃を取り出して、口にくわえて引き金を引こうとする。それがアイリス・チャンのように見えるんだけれども実は・・・・・・という映画で、これを撮影するために現地を取材し、キャスティングを進めていましたが、妨害があって第三部にしました。
 映画というものは零からの出発で、何もないところから企画し、シナリオを書いて、役者とスタッフとお金を集めて、フィルムにします。希望を持っていなければ前に進むことができません。今回の映画作りを通して私は草莽の日本人の確かさ、力強さを感じました。全国の草莽の皆さんと共に必ず実現するとの信念をもってこれからも邁進したいと思います。製作資金を含めてご支援ご協力のほど何卒お願いたします。(三月十二日インタビュー)

 
政治より芸術が云々とか、沖縄戦「集団自決」映画構想など、気になるところですが。
直近の(はずの)第二部についての構想を抜粋すると。

南京虐殺」を見たとか、「やった」と証言しているおじいさんに直撃インタビューするところから始まります。それから実証的な検証作業をされて来た東中野修道・阿羅健一両氏に映像の嘘や、虐殺派の主張の嘘など暴いてもらいたいと思います。

映画『靖国』の製作手法を散々批判してきた水島さんが、どのように直撃インタビューをするのか非常に興味深いですね。それを、夏淑琴名誉毀損事件被告の東中野修道さんと、百人斬り訴訟を支援する会前会長の阿羅健一さんがどんな切れ味鋭い検証を行うのかも楽しみです。もちろん被取材者全員に編集後の映像を見せて上映許可を取るんだよね?

*1:2008年4月号 P16-18