四回だました

 
id:hagakurekakugoさんの6月17日のエントリーで紹介されている、雑誌『世界』での蓮池透さんのインタビューを読んでみました。
特に興味を引いたのが、蓮池さんが「日本は結果的に四回だました」と日本政府の対応を問題にした点です。
蓮池さんが指摘したのは四つを箇条書きにして以下に抜粋。

  1. 拉致を認めて謝れば国交正常化だと言ったのが、そうではなかった。
  2. 被害者の五人を一時帰国させて日本の国内の世論をおさえようとしたら、五人が戻らなかった
  3. 五人の子どもたちとジェンキンスさんを帰国、来日させれば世論はおさまって、ほかの方々については再調査をするということで国交正常化が進むと考えたのに、これもだめ。
  4. めぐみさんのものとされる遺骨を出せば、骨が出たのだからと世論もおさまって国交正常化への道が開けるだろうという政治決着の目論見があったと思うのですが、それも結局だめだったわけです。

 
「拉致は許されない事」なのは当然だとしても、外交儀礼を守らなかった事で、交渉の場で日本が不利になったのは間違いはなさそうです。しかも決断を下した小泉総理や、強硬意見を言って名前を売った安倍晋三さんなんかは批判されず。なぜか交渉役の田中均さんばかりが攻撃されたわけですから、外務官僚としても真面目に取り組むわけがないんですよね。
 
しかし拉致被害者家族の言葉を借りなければ、こういう真っ当な指摘が表にでない(だせない)社会というのも気が滅入りますね。