若干の解説

渡部昇一先生も推薦する、日本を代表するクオリティ・ペーパーである『世界日報』。
その紙上で、改竄発覚から約1ヶ月後の1985年12月30日に発表された田中正明氏の反論。
興味深い点を箇条書きすると...
・(他の反論で見られる)手術・入院に関する言及がない。
・加筆は「伊藤弁護士への覚書」を引用したことになっている。
・1987年3月に出版する『南京事件の総括』をこの時点で脱稿している。
 
オリジナルの「陣中日誌」に、「支那事変日誌抜萃」の間に挟まれていたメモの記述を加筆したというのも、非常に苦しい言い訳だと思うんですが、その後にそのメモを田中氏が公開したという話は、私が調べた限りでは見つかりませんでした。南京戦史資料集でも言及されておりません。
因みに、日記発掘に関する記述では、単に「一冊の陣中日誌と四冊の獄中日誌」や「松井大将の日記五冊」とだけ説明されておりました。