南ア問題に発言の自由を

 
先日、映画を観にいった際に、この映画の予告編が流れました。
 
マンデラの名もなき看守
 
ネルソン・マンデラ*1役は、デニス・ヘイスバートという俳優さん。*2

あぁ、確かにマンデラの若い頃って、こんな感じの喧嘩強そうな顔*3してたよなぁ、
とボンヤリ思い出しました。
 
ついでに、以前図書館にいって古い月刊誌から田中正明ネタを収集してたときに、
偶然、アパルトヘイトに関する記事もコピーしていたことを思い出しました。
ということで、以下に引用してみます。

★南ア問題に発言の自由を 文藝春秋 1986年4月号 188〜189
 
 二月七日の朝日の朝刊に「NHKのキャスター『希少金属の輸出止めたら日本に打撃』南アのTVで発言し波紋」という見出しの記事が載った。南アフリカ連邦共和国を訪問中のNHKの末常尚志氏が南ア国営テレビのインタビューに答えて、記事のなかから引用すれば「日本は、南ア産の希少金属に全面的に依存している。南アが禁輸措置をとったら、経済、とくにハイテク産業界にとっては、大きな打撃となるだろう」と語ったために、「現地関係者の間で大きな反響を呼び、『日本の経済制裁は腰がひけているのか』などの議論が起きている」というものである。
 毎日と読売も、特派員による同じような内容の記事を載せている。毎日から引用すれば、「南アフリカの人種差別撤廃を求め経済制裁を行うかどうか、国際世論が高まっている中」で、末常氏が「『南アが産出する希少金属なしには日本は生きのこることができない』と述べ、日本が南アの逆経済制裁を恐れているかのような発言を行い、同国で大きな反響を呼んでいる」というのである。
 末常氏の発言は、まったく正しい。クロム、コバルト、パナジウム、マンガンをはじめとする希少金属なしには、近代工業製品をつくることができない。希少金属の供給が途絶するか大幅に減るようなことがあったら、日本経済は痛撃される。昨年、日本はクロム鉱石を百万トン(そのうち南アから五十四万トン)、コバルトを二千トン(南アから千百トン)、パナジウムを四千トン(南アから三千三百トン)、マンガン鉱石を百五十万トン(南アから五十万トン)輸出している。
 石油とちがって、希少金属資源は偏在性が高いものが多い。世界のクロムの埋蔵量の六十四パーセントが南アに、三三パーセントがジンバブエに存在する。自由世界におけるコバルトの産出量のほぼ九○パーセントをザイールが占め、ザンビアが次に大きな産出国である。南アではコバルトはあまり産出しないが、ザイール、ザンビアジンバブエで産出する希少金属は、これら三つの国を通り、最終的には南アの港に至る鉄道によって運ばれ、積み出されている。ザイールからアンゴラを通って大西洋岸に至るベンゲラ鉄道は、アンゴラの内戦によって寸断されていて使えない。ザイールからザンビアを抜けて、タンザニアのインド洋港に達するタザラ鉄道は、土砂崩れで頻繁に不通になるし、ゲリラの出没するうえに、中国製の機関車を使っているので故障が多く、あてにならない。そこで万一、南アが麻痺するようなことがあったり、長期的な港湾ストが起こったりした場合には、南ア産の希少金属だけではなく、ザイール、ザンビアジンバブエからくる鉱石資源の供給も大きく減ってしまうことになる。
 日本のマスコミは、南アの人種差別政策をひどく嫌っているようである。朝日は一月十二日の社説「南アは破局への道を避けよ」のなかで、南アにおいて「今、緊急に取り戻さなければならないのは、黒人の参政権を含む非白人の基本的人権だ」と説いている。かつてアフリカの黒人社会に民主主義が存在したことがあっただろうか。アフリカの黒人諸国のほとんどに当たる四十一ヵ国が独裁政権下にあり、民主主義が行われていない。アフリカでは部族が政治の基本となっており、強い部族が弱い部族を差別して支配しているだけではなく、しばしば大虐殺が行われている。ジンバブエではショナ族政権が対立するンデベレ族の大虐殺を行ったし、ウガンダでは独立後、反目する南北部族間で政権を奪い合い、五十万人以上が殺されている。
 先の朝日の社説にも、南アが日本の国民生活にとってかけがえのない国であるという視点が欠けている。"鉱石ショック"のほうが、"石油ショック"よりも危険なのだ。

当時の状況を知らないので、この記事がどの程度の説得力を持つものか分かりませんが、
恐らく、外務省や南ア相手にビジネスをしていた商社なんかの認識というのは、こういったモノだったのでしょう。
しかし「アフリカには民主主義がなかったんだから、アパルトヘイトも当然」かのような意見には、チベットを「解放」したと強弁する中国人に対する違和感に通じますね。 
 
 
 
 
 
 
 
あ、
 
そういえば、記者の名前を書き忘れていましたw
 
 
 
 

外交評論家 加瀬英明*4
 
たしか、韓国人の真似が得意(?)な人でしたね。