水島監督、沖縄で類推する

Jodorowsky2008-08-12


月刊『正論』で人気沸騰中のブル聯隊長水島監督の連載。「 映画『南京の真実』製作日誌 "情報戦"の最前線から 」

連載第12回目の一部の内容が曲解され2chで紹介されていたので一応コピっときます。
問題の書き込みはコレ。

958 :名無シネマ@上映中:2008/08/11(月) 17:14:58 id:WqY2mj3N
  正論によると1945年沖縄戦の司令官と参謀長が1937年の南京戦に参加していたのを
  水島が「つい最近知らされた」wので第二部はこの二人を主人公にするらしい
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連載における該当箇所は以下のようなものです。*1
どちらにしろ私のような凡人の想像を越えちゃってますが...

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 第二部の製作の一環として、七月末に沖縄へ撮影に行く。当初、沖縄は撮影の予定は無かった。しかし、ある知り合いが興味本位で左翼の南京大虐殺集会に参加して、面白い情報をもたらしてくれて、撮影することに決めた。その集会では、南京攻略戦に参加していた沖縄第三十二軍司令官牛島満中将と長勇参謀長が、昭和十二年の南京攻略戦に参加し(それは事実である)、南京で五時間に一万人の虐殺をしたという途方も無いインチキ情報を流し、あげくは、だからこそ、彼らが沖縄の住民を支那人同様、人間扱いせず多大の犠牲を強いたのだと、強引な理屈で宣伝広報していたというのである。この集会の講師が、あの本田勝一ですら疑問を呈している根拠と証拠の無い南京虐殺証言集を「南京戦・閉ざされた記憶を尋ねて−元兵士一○ニ人の証言」(社会評論者)の著者松岡環女史であり、沖縄の左翼学者も加わって、そのような主張をしていると知ったからである。
 それとは別に、沖縄在住の奥茂治氏と軍事ジャーナリスト井上和彦氏から、新しい情報も入っていた。牛島中将の自決に立ち会った看護婦さんが、沖縄にまだご存命で、その様子を話してくれるというのである。その元看護婦Aさんの話では、最期の時を迎えた牛島中将は、洞窟内に部下一同を集めて並ばせ、これまで共に戦ってくれた事に感謝し、残っていたパイナップルの缶詰を開けさせて、まるで父親が子供にそうするがごとく、パイナップルの一切れ一切れを自らの手で、立ち並ぶ部下たちの口に運び、食べさせたというのである。部下たちは感涙にむせびながら、一切れの甘いパイナップルを味わった。この別れの儀式が終わり、牛島中将と長参謀が自決場所に向かおうとした時、Aさんは「閣下、私もお伴させてください」とすがるように頼んだ。中将は厳しく強い調子で「何を言うか!死ぬのは軍人である。民間人は生きなければならない。その為に軍人は戦っているのだ」と生き残る事を強く命じ、自らは粛々と自決されたという。
 軍隊が指揮官の命令を忠実に実行する縦割り組織である事を考えれば、沖縄戦の最高指揮官たる牛島中将の民間人に対するこのような姿勢は、そのまま沖縄戦における日本軍の姿勢であると類推できる。現在、法廷で係争中の沖縄集団自決訴訟を考えるとき、軍の自決命令など無かったという有力な傍証になるのではとも思う。同時に、ありもしない「南京大虐殺」のデマと軍民一体で戦われた沖縄戦を、強引な理屈で結びつけようとする情報工作を否定し論破する有力材料にもなる。彼らの論理を逆手にとり、沖縄民間人の命を大事にした牛島中将が、南京攻略戦でも、住民の大虐殺や大量の強姦事件など行うはずがないという(傍証)を主張出来るはずなのだ。だからこそ、第二部に牛島中将のエピソードも入れる事にしたのである。
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パイナップルのくだりを読んで、第一部『 七人の死刑囚 』で三上寛扮する花山教誨師が、執行前の死刑囚一人一人に葡萄酒等を飲ませて見つめ合う、狂ったような冗長シーンを思い出しました。あの悲劇は繰り返してはいけない!

*1:月刊『正論』2008年9月号 P341-342