目指すは、視聴者百万人!

Jodorowsky2008-10-22

 
最近はネタにするのにも後ろめたいものを感じるチャンネル桜
景気の悪い話をするのも気の毒なんで、開局直後に靖国カルト日本会議の機関誌『日本の息吹』でブル聯隊長水島総社長が抱負を述べているインタビューを丸写ししてみました。
 
 ※文中の太字は誌面を再現したものです。

日本の息吹 平成十六年十一月号
 
開局!チャンネル桜
 
去る八月十五日、新しい衛星放送TV局が開局、放映が始まりました。その名は「日本文化チャンネル桜」。目指すは、視聴者百万人!「我が国最初の歴史文化衛星放送局」と謳うその目的、内容とは――
 
株式会社日本文化チャンネル桜社長
水島 総氏に聞く

みずしま さとる
昭和24年静岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本映画監督協会会員、日本脚本家連盟会員。主な映画に、「南の島に雪が降る」監督・脚本「奇跡の山」監督・脚本。テレビ番組は、ドラマを中心に二百本以上の監督・脚本作品がある。

 
●戦後の価値観を見直す映像メディア
――まず設立の経緯から
 
水島 私は、戦後の価値観、あるいは明治以来受け入れてきた西欧近代主義的価値観をもう一度、日本人として、きちんと見つめ直すべきだと思ってきました。しかし、そういった戦後日本のあり方、戦後の価値観を疑うメディアが少ない。とくに映像メディアがそうです。文字メディアの場合、一応、保守系といわれる新聞、雑誌がある。ところがテレビになるとほとんどない。どの局も、戦後の価値観を全く疑うことなく、つまり、日本の伝統文化が全く意識されぬまま、アメリカ的戦後価値観をまるごと認めた番組作りしか、なされていない。映像情報は、文字情報と違って「印象」がまず視聴者の心に刷り込まれます。テレビメディアは、「論理」や「印象」を作り出す伝達手段なのです。そういう大きな危険性と可能性を持った大事なテレビメディアが、戦後日本において、西欧近代主義イデオロギー、代表的なのはマルクス主義ですが、その価値観と「使命感」を持った人々に、握られてしまっている。これが問題なのです。
 私は、この状況を踏まえ、戦後の価値観を見直し、我が国の伝統文化を引き継ぎ、その上で、日本あるいは日本人というものをきちんと考えるメディアを国民の手に取り戻さねければならないと考え、実行しました。「日本文化チャンネル桜」(以下、「チャンネル桜」と略す)のスタートには、そういう思いと志がありました。
 
――その構想が芽生えたのは?
 
水島 そういう思いは久しく持っていましたが、大きなきっかけになったのは、四年前にフジテレビで特攻隊のドキュメンタリー(『国破れても国は滅びず』)をつくったことです。その反響が大きかった。戦後作られた戦争ドキュメンタリーといえば、いわゆる反戦的なものがほとんどでした。この作品は、実際に戦争を戦われた人々の真実の思いを映像にして伝えることができたような気がします。また大東亜戦争についての見方も、全否定とは違う視点を提示できた。それに対する反響の大きさから、映像メディアの影響力を改めて認識しました。これが新テレビ局創立のきっかけとなりました。
 それまで、脚本、監督業の傍ら、私は、五年前から在日フィリピン人向けの衛星放送を経営し、七年前からフィリピンのマニラで、日本チャンネルの二十四時間放送を続けていました。だから、衛星放送創立のノウハウが分かっていました。これが結果的には「チャンネル桜」の予行演習になりました。
 
●他にない魅力的な番組の数々
――具体的にはどのような番組があるのですか?
 
水島 「報道ワイド日本」は、二時間の本格的報道番組です。他のマスメディアが、中国に気兼ねしてやらない報道―例えば、台湾報道などですが、台湾には二千六百万人の国民がいて、選挙で選ばれた民主的な政府がある。しかし、あたかもそんな国家は存在しないかのように振舞う既存メディアの報道姿勢はおかしい。これに対して、私たちは誤魔化しの無い公正な報道、解説分析を心がけています。「国家であるのに、国家でない」という欺瞞は、戦後日本そのものです。我が国で言えば「軍隊なのに軍隊ではない」自衛隊の存在もそうです。私たちはその自衛隊の番組を毎日放送しています。これは「防人の道 今日の自衛隊という番組ですが、我が国最初の自衛隊専門情報番組です。自衛隊がいかに国のために、また国際平和のために日夜奮闘しているかという生の姿を毎日一時間放映しています。先日は、先月の『日本の息吹』誌でも登場しておられたイラク派遣隊の佐藤一佐に制服姿で出演していただきました。
「桜塾」というカルチャー講座は、保守系知識人十人に毎週一時間ずつ講座をもっていただいております。例えば小堀桂一郎先生の「再検証・東京裁判」、篠沢秀夫先生の「フランス文化と日本」、渡部昇一先生の「世界偉人伝―歴史を変えた人間」、高橋史朗先生の「第三の教育論」、田中英道先生の「日本文化と西洋」等々。通常のカルチャーセンターを考えても、これはものすごいお得です。お茶の間にいながらにして、現代日本の最高の知性のお話を聞くことができるのですから。
 それから、浪曲、民謡、講談、落語、吟詠など伝統芸能をそれぞれ毎週二回放映しています。毎週これほどやっている局はないでしょう。
 そして拉致問題アワー」。「家族会」がつくる番組です。家族会の増元照明さんが司会で、横田ご夫妻をはじめ家族会の方々、あるいは救う会の方々が出演し、訴えておられます。私たちは拉致問題が完全解決するまで放映し続けます。私たちは同胞を見捨てません。
「武道アワー」は、空手、日本拳法銃剣道などあまりテレビで取り上げられない武道の各団体の大会の様子を放映したり、指導者に、その心を語ってもらっています。
 政治関係では、「政党は主張する」があります。不偏不党の原則に則って自民、民主、公明、共産党まで登場いただいております。それから西村眞悟衆議院議員「眞悟十番勝負」。きちんとした国家観をもった政治家の発言をお届けします。第一回目は、石原慎太郎都知事との対談でした。面白い真剣勝負でしたよ。「地方議員アワー」は、「ふるさとから日本を変えよう」というサブタイトルで、市会議員、町会議員などこれから日本を担う若手の政治家に出演してもらてちます。この人たちが次の日本の政治を担っていくのです。
 
●この三年間が勝負
水島 私は、日本国家の将来にとって、おそらく三年以内に来るであろう次回の衆議院選挙、参議院選挙までが、正念場だと思っています。この三年の間に国民の意識がどう変わるか、ということが自主憲法制定等をはじめ、十年二十年先の我が国の未来を決定するであろう、と。でしから国民が正しい判断をできるための材料、日本、及び日本人の立場に立った公正な情報を提供することによって、新しい国づくりのお手伝いができればと思っています。
 
――なかなかバラエティに富んでいますね。開局一ヵ月の反響は?
 
水島 日が浅いので、知名度はまだまだですが、反響は非常に良いです。また、開局の一年以上前からインターネットの「チャンネル桜」をスタートしましたが、アクセス数が多いときは月に二百五十万件もありました。皆さんの期待がいかに大きいかということを感じています。
 
――なぜこれまで保守系の映像メディアがなかったかというと、正しい思想は持っていても技術、ノウハウを持つ人がいなかった。いわゆる業界関係の人がいなかった?
 
水島 私は四十年近く、映画やテレビの世界で、監督や脚本の仕事をしてきましたが、確かに日本と日本人を意識したメディア関係者は少ないですね。
 
――水島社長の登場でようやくそれが可能になったのは歴史的なことですね。
 
水島 何かを変えるには、犠牲を出しても先を走る存在が必要なんだと思います。私たちは敵地に乗り込み橋頭堡を築く空挺部隊だと感じています。後続部隊が来なければ全滅します。しかし、尊敬する西郷さんが「地位も名誉も命も要らない」という人でないと国家の大業、維新はできないと仰っています。私もそう思います。今年から来年にかけては日露戦争百年の記念の年ですけど、別の言い方をすれば、我々は二○三高地で突撃する兵隊みたいなもので、たとえ途中で倒れても、我々の屍を乗り越えて志を継ぐ人は必ず出てくる。私は日本人を信じています、とくに若者を。
 
●戦後失われたのは"時間"軸
水島 私は戦後失ったのは、"時間"だと思っています。歴史的な時間意識です。我が国の悠久の歴史の流れを観ずることが出来れば、自分の肉体や命というものは、先祖から次の世代に渡すいわば先祖から借りた「貸家」であって、自分の「持ち家」じゃないんです。私たちは、先祖から命、科学的には遺伝子、DNAをもらって、次の世代に受け渡す存在なんだと思います。だからいわゆる援助交際などをする少女が「誰にも迷惑かけていない。自分の体だからどうしようと勝手だ」という主張に対しては「おまえだけの身体じゃないんだ、ご先祖と子孫のものなんだ、貸家なんだから、なるだけ傷をつけずに次の世代に渡さなきゃいけないんだ」ときちんと反論できるんですよ。そういう大人が少ないのは、しっかりした生命観を持っていないからだと思います。我々の命は自分だけのものじゃない、先祖のもの、日本民族のものでもあるんです。
 国のために戦えるというのは、そういう過去からの命の連続性という意識、歴史的存在としての自分、そういう意識があるから戦えるんです。自分が死んでも、それを継いでくれる人たちがいるという意識です。特攻隊の英霊がまさにそうでした。
 ところが、その歴史意識の連続性を断ち切ろうとする人たちがいる。私は、これははっきり言いますが、左右のファシストが嫌いです。戦前に妄想したのは軍部というよりも、実は共産主義思想にかぶれた政治家やマスコミのほうだったと私は考えています。ナチスの影響を受けた国家社会主義者たちです。これは右のファシストです。戦前の朝日新聞がそうでした。朝日新聞は、戦後は転向したかのようにみえますが、戦前はナチス国家社会主義、戦後は左翼ファシズムスターリン主義にシフトしただけなんですよ。だから私は社会主義的言辞を弄する人には左でも右でも警戒の目をもって見ています。どちらも日本の国柄とは相容れない。私は、「和をもって尊しとなす」、武士(もののふ)の心、もののあはれの分かる人こそ、本当の日本人だと思っています。
 我々は、その日本人の心、歴史の時間軸を取り戻さなければなりません。
 しかし、そういう日本を良くしようという運動は、これまでは「点」でした。それを「線」に変え、「面」にしていかなくてはならない。ある禅僧の言葉ですが、石はいくら磨いても決してダイヤモンドや金にはならない。しかし、これを火打石にして打ち合えば、火花が出て、それは火となり、すべてを焼き尽くす燎原の猛火となる。これが吉田松陰先生がおっしゃった「草莽崛起(そうもうくっき)」の精神です。草の根の力です。そのためには、火打石となる発信するメディアが必要です。我々は百万人の加入者を目指します。そうなれば日本は、本当に、具体的に、現実に、変わっていくと思います。
 これは、ある意味で、戦後日本に対する情報戦争です。戦後の文化的断絶を乗り越えて、悠久の日本を次の世代につなげる「中継ぎ」の役割を我々は果たさねばならない。月々八百八十円、一日に換算すると三十円弱ですが、これは単なる視聴率ではありません。一日三十円でこの国を変えるんだという気持ちで、ぜひとも多くの皆さんに参加していただきたい。そのことを心よりお願い申し上げます。 (九月二十八日インタビュー)

 
なんか、今読むと、いろいろ感慨深いものがありますね。*1
 

*1:まだ終了しちゃった訳ではありませんが(たぶん)