新妻富雄(仮名)
収録 『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』･･･第十三師団山田支隊兵士の陣中日記 小野賢二、藤原彰、本多勝一 大月書店
所属：歩兵第65連隊第7中隊・第2次補充
階級：上等兵
住所：福島県
職業：郵便局勤務
入手経路：遺族より
日記の態様：
縦10センチ×横15センチ、穴をあけた用紙を革表紙とともに太い紐で閉じてある。縦書き。
1937年12月13日から記述が始まっているが、その冒頭1頁にはシミが多く、解読できない箇所が多い。
また、「十二月十六日 晴天」という記述のあと、インクで書いたものをなにかで抹消したらしく、
空白となっている。さらに12月17〜20日にあたるところは、残っておらず、
あとで破棄されたものと推定される。
日記 P178 ※カタカナ→ひらがな。誤字訂正。■は解読不能。
十二月十三日 晴天 清国
前の夜行軍■午后五時■■站出発部落泊る、本日■■■■■河江に対す我中隊■■■■■■山上にて警戒敵兵■■■■■■■■■■者を捕虜小隊長刀にて殺■■■テ帳は其の兵の持物なり。
十二月十四日 晴天 清国
本日は朝四時五十分整列、南京中間虎子台砲台攻撃■■■■前の部落より出発、夜明間も無敵兵白旗を飜る返し約一万五六千人■■■解除、砲台は戦死者約四五名■傷者七八名にして占領第二大隊我が中隊は其の地より南京入城、軍旗護衛として約二粁程前進して虎子台海軍独立陸戦隊兵営揚子江沿岸午後七時頃到着し宿舎割になる。
第四次補充部隊四百三十名。
十二月十五日 晴天 海軍宿舎にて
明れば朝東から太陽はゆうゆうとただ一発の銃声もなくのんびりとした朝聞くからに敵の捕虜兵二万五六千名我が聯隊でのみ収容したと云う事だ。
聞けば櫓網湾、馬家宅の我が軍の苦しめられた事また戦友の戦死されたと事を思ひ浮べ今日共に戦友の霊をなぐさめる事が出来たと遠い上海の空を向いて異郷を向いて拝した。
十二月十六日 晴天
[記事全文抹消されている]
