日誌判読作業の時期は?
田中氏は2回にわたる入院により時間が足りなかったことを主張しておりますが、これは入院時期と期間が不明なので確かめようがありません。
ただし松井日誌は、発掘から日誌出版までに発表された田中氏の著作や論文にも数多く引用されており、これらを読むことで判読時期推測することができます。特に84年6月に出版した『"南京虐殺"の虚構』は副題に「松井大将の日記をめぐって」と付いているように、広範にわたって引用されておりました。日付を付されて引用されたいた日記は以下の通り。
昭和12年
12月 1、2、10、13、14、15、16、17、18、19、20、29日
昭和13年
1月 11、28日
2月 6、7、8、25、26、27、28日
これを、田中正明の松井大将日誌改竄問題であげた日付とトレースしてみました。重複日太字
このように改竄個所は、その後に書き加えた部分などを除いては、かなりの部分が日誌出版1年前の段階で改竄済みであったことが分ります。
端的に言って、時間が足りなかったというのは嘘でしょう。