『「南京事件」の総括 』 の目次

 
このところのエントリーを見ても分かるように、最近私は田中正明さんの魅力に取り付かれております。
やっぱファンなら一冊くらい書籍を買うべきだろうと言うことで、ブックオフの105円コーナーを物色。
迷著『「南京事件」の総括 』文庫版を購入しました。
パラーっと中身を見てみると、何か違和感が......。文字がデカイわりにやけに薄い...。
 
気になったので、図書館で展転社版『「南京事件」の総括 』を借りてきて比較してみました。
とりあえず、文庫版の目次は以下の通り*1

文庫版目次
徐 日本人が虐殺された南京事件
第一章 虐殺否定十五の論拠
  はじめに
  大虐殺の定義
  第一の論拠 当時の南京の人口
  第ニの論拠 難民区帰還で人口は急速に増加
  第三の論拠 累々たる死体など見た者はいない
  第四の論拠 国際委員会の日軍犯罪統計
  第五の論拠 難民区は安泰、感謝の書簡
   (1)婦女子の殺害なし
   (2)難民区からの感謝状
  第六の論拠 架空の捕虜大量殺害説
   (1)捕虜の釈放
   (2)幕府山の一万四千の捕虜
  第七の論拠 崇善堂の十一万埋葬のウソ
   (1)中国側の資料で暴露
   (2)紅卍字会埋葬の疑問点
  第八の論拠 スミス博士の「戦争被害調査」
  第九の論拠 何應欽上将の軍事報告
  第十の論拠 中国共産党の記録にもない
  第十一の論拠 国際連盟も議題にせず
  第十ニの論拠 米・英・仏からの抗議もなし
  第十三の論拠 米・英のマスコミ殆ど取り上げず
   (1)わずかにティンパーリーとダーディン
   (2)南京事件に対する社説なし
   (3)外人記者団の南京戦跡視察
  第十四の論拠 箝口令など布かれていない
  第十五の論拠 目撃者のいない"大虐殺"
   (1)一ニ○のプレスマンは何をみたか
   (2)南京入城者の証言
   (3)作家・評論家の南京視察記
   (4)筆者の視た南京
 
第ニ章 断末魔の南京
  日本軍の編成
  中国軍の編成
  「南京安全区国際委員会」
  無政府状態に陥った南京
  降伏勧告
  中国軍による焼払いの狂宴
  中国兵による掠奪
  便衣兵戦時国際法の違反
  便衣兵数千が難民区に遁入
  後送された傷病兵と埋葬者
 
第三章 南京攻略戦
  上海派遣軍の戦闘
   ▽紫金山の戦い ▽下関の戦い ▽山田支隊の捕虜 ▽光華門の戦い
  第十軍の戦闘
   ▽雨花台の戦い ▽レディバード号事件 ▽城壁一番乗り ▽新河鎮の戦い ▽仙鶴門鎮の戦い
  南京戦と将兵の心理
  城内の掃蕩作戦
   ▽33・38聯隊の戦闘詳報
  光華門の風景
  「地獄絵」など何処にもない
  中山門の風景
  難民区の掃蕩
  便衣兵の摘出
  「万人坑」とは何か ※
  歩兵第四十五連隊の戦闘 ※
   ▽三三○○の敵戦死体 ▽江東門の戦い
 
第四章 南京事件東京裁判
  日本弱体化政策
  「平和」と「人道」に対する罪
  共同謀議という妄想
  西にアウシュヴィッツ・東にナンキン
  偽証罪のない裁判
  六つに分かれた判決
  判決文の支離滅裂
  裁いた者たちの悔恨
  東京裁判史観シンドローム

次に展転社版の目次を引用します。共通部分は赤で表記。

展転版目次
序章
  はじめに
  「大虐殺」の定義
  共産革命と大量殺害
  命令し、授権し、許可したか
  戦時宣伝から政治的思惑へ
 
第一章 南京事件東京裁判
  日本弱体化政策
  「平和」と「人道」に対する罪
  共同謀議という妄想
  西にアウシュヴィッツ・東にナンキン
  偽証罪のない裁判
  六つに分かれた判決
  判決文の支離滅裂
  裁いた者たちの悔恨
  東京裁判史観シンドローム
 
第二章 南京事件と松井大将
  松井大将の中国観
  松井石根の人間像
  終戦後に初めて知った事件
  責任は回避せず
  天皇から嘉賞のお言葉
  井本熊男参謀の証言
 
第三章 南京事件と教科書
  南京事件に対する三つの意見
  教科書騒動の後遺症
  「侵略」用語について
  侵略用語の二重基準
  aggressionは侵略にあらず
 「南京事件」の記述について
  いつから教科書にのるようになったか
  虐殺数の根拠は何か
  国際的な非難をうけたか
  祖国嫌悪の教育
 
第四章 断末魔の南京
  日本軍の編成
  中国軍の編成
  南京安全区国際委員会」
  無政府状態に陥った南京
  降伏勧告
  中国軍による焼払いの狂宴
  中国兵による掠奪
  便衣兵戦時国際法の違反
  便衣兵数千が難民区に遁入
  後送された傷病兵と埋葬者
 
第五章 南京攻略戦
  上海派遣軍の戦闘
   ▽紫金山の戦い ▽下関の戦い ▽山田支隊の捕虜 ▽光華門の戦い
  第十軍の戦闘
   ▽雨花台の戦い ▽レディバード号事件 ▽城壁一番乗り ▽新河鎮の戦い ▽仙鶴門鎮の戦い
  南京戦と将兵の心理
  場内の掃蕩作戦
   ▽33・38聯隊の戦闘詳報
  光華門の風景
  「地獄絵」など何処にもない
  中山門の風景
  難民区の掃蕩
  便衣兵の摘出
 
第六章 虐殺否定十五の論拠
  はじめに
  第一の論拠  当時の南京の人口
  第ニの論拠  難民区帰還で人口は急速に増加
  第三の論拠  累々たる死体など見た者はいない
  第四の論拠  国際委員会の日軍犯罪統計
  第五の論拠 難民区は安泰、感謝の書簡
   (1)婦女子の殺害なし
   (2)難民区からの感謝状
  第六の論拠  架空の捕虜大量殺害説
   (1)捕虜の釈放
   (2)幕府山の一万四千の捕虜
  第七の論拠  崇善堂の十一万埋葬のウソ
   (1)中国側の資料で暴露
   (2)紅卍字会埋葬の疑問点
  第八の論拠  スミス博士の「戦争被害調査」
  第九の論拠  何應欽上将の軍事報告
  第十の論拠  中国共産党の記録にもない
  第十一の論拠  国際連盟も議題にせず
  第十ニの論拠  米・英・仏からの抗議もなし
  第十三の論拠  米・英のマスコミ殆ど取り上げず
   (1)わずかにティンパーリーとダーディン
   (2)南京事件に対する社説なし
   (3)外人記者団の南京戦跡視察
  第十四の論拠 箝口令など布かれていない
  第十五の論拠  目撃者のいない"大虐殺"
   (1)一ニ○のプレスマンは何をみたか
   (2)南京入城者の証言
   (3)作家・評論家の南京視察記
   筆者の視た南京
 
第七章 なぜ中国は「大屠殺」か
  「屠城」と「抜城」の意味
  漢民族の食人風俗
  歴史が顔をだした
  「南京大虐殺:の"神話"
  日本人が虐殺された南京事件
  中華思想と日本人の蔑視
 
第八章 朝日新聞南京事件
  「朝日」の反日キャンペーン
  意図的なミスリード
  「プライダ」と言われるゆえん
  「虐殺した数とされた数」
  第三者の見た"虐殺者"の数
  「朝日」の南京写真特集
  報道の責任を問う
  「語り部」のでたらめ証言
  まぼろしの"虐殺"手帳
  伍長徳証言のウソ
  朝日新聞がめざすもの
 
第九章 「大屠殺記念館」と「万人坑」「死体橋」の嘘
  記念館の概要
  歴史の真実を極めよ
  真偽不明の写真
  原罪としての南京事件
  「万人坑」とは何か
  歩兵第四十五聯隊の戦闘
  三、三○○の敵戦死体
   (1)初めて見た督戦隊
   (2)敵軍司令部の脱出
   (3)漂流死体の写真
   (4)江東門の戦い
   (5)三叉河の戦い
  珍妙な「死体橋」実在説
  厳しい軍律で統制
  木材商のでたらめ証言
  捕虜は全員釈放
  戦史をまともに読め
  虐殺派の論理
 
第十章 南京事件のニセ写真
  『悪魔の飽食』と『毒ガス』
  映画『南京裁判』のやらせ場面
  徐州と南京のすり替え
  キャプションの捏造
  洞富雄氏のキャプションの改ざん
  「朝日」が詫びた生首写真

なんと、章にして6章。ページ数にして1/3以上がバッサリカットされている。
因みにこの編集に携わった、田中さんの弟子でもある水間政憲さんによる「まえがきに代えて」には次のように記されている。

・・・・・・
 今回、『「南京事件」の総括』が文庫化されることになり、編集に際して南京に直接関係のないところをはずし、写真や資料を加え、読みやすいように再構成した。
 また、最新の情報等については、私が「編注」として入れておいたことを付記する
・・・・・・

確かに読みやすくななっているのは事実でしょうが、田中さん特有のエキセントリックさが大幅に減退した感が否めません。とくに、明らかに松井大将は泣いて怒りそうな「漢民族の食人風俗」といった田中さんの狂気を感じることができる箇所が削られたのは本当に残念。
 
と思ったら、大喜びで引用してる漫画家がいましたね。小林とかいう。


 決めつけはいかんよ。決めつけは...
 

*1:前書き等は抜いて、表現は展転社版に合わせました